博士は一生もの
- 古田篤史
- 3月31日
- 読了時間: 2分
私は博士(工学)を取得していますが、取得までに大変な苦労が伴いました。土日祝日関係なく、ほぼ一年中、実験、論文執筆などに追われていましたし、実験は9割は失敗でしたので、精神的なストレスを多大なものでした。そんな日々が大学院(修士~博士課程)の5年間続きました。
ただ、博士を一度取得してしまえば、基本的に学位はずっと残りますし、その取得の過程で発表した業績もずっと残ります。維持するためのコストもありません。こういった点で大変有難いものだと思います。「自分が生きた証」になります。また、初対面の人に自己紹介するときも、自分はどんな人間か、ある程度簡単に説明ができます。特に、海外では、「博士(PhD)を持っています」と言うだけで、ある程度の信用を持ってもらえるように思います。
そして、博士を取るまでも大変ですが、取った後にこれを活用することもそんなに簡単ではないと思います。博士であれば、分野を問わず論理的に問題を抽出・解決し、その成果を発表できるコミュニケーション能力を有するはずですが、この能力を発揮できる場をどこにするか、自分で考えねばなりません。その場は、アカデミアに限りません。どこで博士を活かすのか、この問いもまた、一生ものといえます。自分は知財業界で博士を活かしたいと思っていますが、まだ十分でないですね。一生悩むのかなと思っています。